■ [Text] サティの新しい楽譜

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ここ数年、サティの新しい楽譜がたて続けに出版されています。

今までサティ研究の大御所のように言われてきたオルネラ・ヴォルタ(仏)さん編集のものだけではなく、隣国イギリスにおいてのサティ研究は目を見張るものがあります。

サティのノクターンは、5曲しかないと思われてきました。ところが実は6番があり、そして書きかけの7番まで存在していたことが現在明らかになっています。

2014年にリリースしたサティのノクターン集アルバム「belle de nuit」の製作をきっかけに、イギリスの音楽学者ロバート・オーリッジさんとコンタクトを取り、やりとりを始めています。

彼はサティの今まで未発表だった作品について、またロベール・キャビイ編集の曲を一つ一つ見直し、新しく全3巻のサティコンプレートブックとして、昨年サラベール社から出版しました。

サティの死後、未刊の作品を編集したロベール・キャビイの功績は大きかったのですが、その反面、それ以後の新しい情報が見直されないままになっていました。今回のロバート・オーリッジさんの労作は、サティを専門に演奏している私たちにとっては、またとないプレゼントとなりました。

今は、これまで絶対だと思われていたサティの楽曲を、一曲ずつ地道に見直しをしているところです。よりサティのオリジナルに近い形の曲として発信していけたらと思っています。

柴野さつき(ピアニスト)